27.マンション住み替え…古いマンションは売る?

売却が得か、それとも賃貸に出す方が良いか……

今回はこれまで触れなかったけれど、誰もが通る、重要な点。マンションの住み替えとなった場合、「今まで住んでいたマンションは当然売るんでしょ?」というスタンスで不動産屋さんは話を進めようとしますよねぇ。それでいいのかなぁ……というお話。

住み替えの場合、古いマンションを売るというのは通常は当然の成り行きですよね。

理由1:多くの場合、前のマンションのローンが払い終わっておらず、売却したお金でローンを終了しないと次のマンションのローンが組めない。

理由2:不動産屋さんにとってはマンションを売った上に、古いマンションを預かって売れば、手数料は倍取れる!

こうした事情があるためなのでしょう。オガの場合も住み替えた友人のほとんどが住んでいた物件を売却。

でも、オガ、そこで踏みとどまった!

というのはね、ホンネを言えば、悔しかったんです!

だってだって、A不動産、B不動産に一応、それまで住んでいたマンションの査定をお願いしたら、買ったときの値段の半分にも満たないのがわかったんです!

それって、その額で売ってしまったら確実に買ったときの半分以上のお金を失ったことになるじゃないですか!

もしも売らないで、持っていたら、もしかしてもしかして、少しは上がることもあるかもしれない。

何よりも、賃貸に出せば、少なくとも、月々収入があって、それなりに取り戻せるかもしれない!で、実際に賃貸に出したときの額を計算してみたんです。「Yahoo!不動産」で条件の同じようなマンションの賃貸価格を探して参考にして。そしたら、20年以上賃貸に出せば、そこで売った額と同じになることに気付いたわけです。その20年後に売れば多分、価格がさらに落ちたとしても、それなりの収入もある。つまり、元がとれた上にさらに収入になる。うん、そーだ。今売っちゃ駄目!!

そう考えたんです。

もっとも、そうできた事情もありました。

・頑張って前倒し返済で古い物件のローンを完済していた。

・駅から徒歩10分以内。しかも便利な駅だったので、賃貸需要が高い。

・当時すでに定期借家制度ができていて、賃貸に出しても以前のようにトラブルに見舞われる心配が少なくなった。

とまぁ、そういうわけです。

で、そのときは真剣に考えなかったのだけれど、後になって歳を重ね、「老後」を考えるセミナーなどに出るようになりました。すると、老後にまだ人に貸せるマンションがあって(もっともリフォームが必要でしょうが)、月々の収入があるというのは重要な要素だということに気づき、「おー!」となりました。

ただし!

賃貸に出せば、当然のことながら、

・仲介業者さんへの手数料がかかる。

・月々の管理費と修繕積立金を現在住んでいるところと、その古い物件のダブルで払い続ける必要がある。

・定期的にリフォームなどお客さんのリクエストに応じてしなければならない。これが最低でも数十万円から数百万円かかる。

・悪質なお客さんが入ると大変。

・固定資産税を現在住んでいるところと、その古い物件のダブルで払わなければならなくなる。

・物件が古くなるとお客さんが入りにくくなる。

・もしもお客さんが入らなければ、その間、無収入どころか、上記支出があり赤字。

と、まぁ、ある程度の支出やリスクはあるので、単純計算での利益にはならないけど、老後を考えたときに「少しは安心」というのは…この先の見えない時代、ま、いいかな……と思ったワケです。

ただ、悪質なお客さんをさけるために、仲介業者を通常の不動産屋さんにするのではなく、大手のリロケーション会社に委託するのも手です。オガはそうした会社に委託。手数料は高いけれど、お客さんに関してはそれなりにフィルターをかけてくれるのでありがたい面もあります。ただ、そうしたリロケーション会社、物件に対する基準があって、それが意外と厳しい場合も。築何年までというような基準がある会社もあるんです。オガはかろうじて滑り込んだけど、今後は契約改定ができるかどうかちょっと不安でもあります。

と、まぁ、こんな感じです。

みなさんも、「古い物件は売る」という一種の住み替えに関する「常識」に対して「踏みとどまって」みてはいかがでしょう?

さて、26回にわたりオガのマンション購入の失敗談と成功談をお届けしてきました。

こうした体験談はネットで検索すると、その多くがマンションを販売される方の視点で書かれたものが多いような気がします。それも参考にはなりますが、それよりもマンションを購入した消費者としての目線での話が聞きたいもの。そう思って、オガ自身の体験を赤裸々に書いてきました。中にはネットでもめったに出てこないアドバイスもあります。

東京オリンピックが終わり、マンションの値段、それも中古市場が空前のブームだと言われていますが、その中で、ささやかなこのブログ記事をみなさんの参考にしていただければと思います。