07.ローンの返済で気をつけること~その1

様々なローンがあるけれど
安全なものを選ぼう

そもそも住宅ローンって、言ってみれば金利の固まりだと言えます。

例えば、35年かけてローンを借りるとするでしょ?すると、本来借りた額の倍を返さなくちゃならなくなるわけです。3000万円借りると35年かけて4500万円返す……。単純に考えればそういうものなんです。つまり金利分として1500万円が上乗せされる。

でも、ここで技が。それを頑張って「前倒しの返済」をすることによって、例えば、10年で完済すれば、支払わなければならない金利分1500万円が何と500万円に!

知ってました?だからローンを返しながらも同時に貯金をして「前倒し返済」する。長期にわたるローンを組んだ場合はまず前提条件として考えるべし。

だから、月々返済にぎりぎりの額となるようなローンを組んではいけないし、そもそもアホらしいのです!

マンションの買い換えを経験したオガは不幸にも2度、住宅ローンを組みました。幸い「前倒し返済」のおかげで無事、最初のローンを返した直後から次のローンへ。「最悪の選択」と言われる多重ローンとならなかったのでどうにか生活してます。

ここではオガがどうローンに向き合ったかを書いておきます。まず最初にテーマ。

・年収の3倍なら安心
・入念なシミュレーションを
・頭金の確保
・ゆとり返済は駄目
・固定金利が安心
・一刻も早く返していく 前倒しと天引き
・多重ローンは絶対に駄目!
・必ず口座に動かせるお金を

・年収の3倍なら安心
これは適正価格(こちらhttps://tokyoite.com)にも書いたけれど、よく言われることですねぇ。オガの場合、貯め込みタイプの「シッカリ女房」がいたおかげで、頭金が多く、最初のローンはこの範囲に無事収まりました。

(余計な話だけど…彼女は「自分は結婚できる器量もないので(いやいや、ホントは器量よしです……オガ談)将来一人で生きていく」と思っていたらしく、オガと出会う前は毎日の食事を削って貯金。だからデートの時は栄養不足でしょっちゅう失神。オガが毎度毎度飯を作って食わせたのが結婚の決め手になったとか(笑))

実際、3倍以内であれば、毎月の返済をしても、結構ゆとりのある生活ができました。海外旅行やらなにやらで贅沢な生活を送ることも可能。また、贅沢を押さえて、後述の前倒しの返済をするというのも大切。オガはこの方法を選び、予定よりもずっと早くローンを返済することができました。やっぱり、この範囲のローンだと安心かな。

一方、別の項目に書いた深刻な事情により2度目のマンションを購入、こちらはローンが年収の4倍強。さすがに3倍のときほどゆとりはなく、生活のいろんな部分でコストを削減することに。実感として、やっぱり厳しさを感じましたが、無事、10年後の現在、完済に至りました!

2回目のローンも前倒し返済が前提でしたから、借りる予定をたてたとき、月によっては逆に貯金をくずして……という綱渡り的なこともあるかと覚悟しました。これが5倍になると相当きついだろうなぁと実感。

・入念なシミュレーションを

これは相当やりましたねぇ。生活費を洗い出し、月々ここまでは返せるというシミュレーションです。

で、意外に思うかもしれませんが、このシミュレーション、頭の中「だけ」で考えると、思わぬところでつまずきます。

例えば、入念なはずだったシミュレーション、実際にローンを返済しはじめ「あれ、現実は出費がもっと多い!今月はもう予定をオーバーしているぞ!なんで???」という時が。理由はなんと医療費。オガ夫婦二人とも同時に病気なった月がありました。そのとき、医療費が1万円を超えてしまったんです。そのことによるオーバーでした。確かに、シミュレーションの時、自分たちが病気になった場合なんて計算していなかった!一方で、もしも過去の家計簿をしっかりと見て、病気になったときのものを見ていればそれも組み込めていたでしょう。

つまり、シミュレーションは頭の中だけで行わず、しっかり過去のデータを長期にわたり見ておくことが必要というわけです。

また、ぎりぎりで計算せず、多少、ゆとりをもって計算しておかなければならないと実感した「貴重な経験」でした。

・頭金の確保

頭金というのは2つの意味で重要です。

1 頭金の額によって、ローンの総額が左右される。つまり手持ちの頭金によって自分たちが購入できる物件の値幅が決定されマス。頭金が大きければ大きいほどより良い高額の物件を手に入れられる可能性が出てくるわけです。

2 同じ額の物件を買うにしても、頭金が大きければローンが小さくなる。当たり前だけど、ローンというのは実際に返済する額の大部分が金利。その金利の部分も小さくなるわけで、無駄に払うお金が少なくて済みます。同様に、長期のローンになればなるほどその無駄が増えるわけで、ローンを短期にして出費を押さえる意味でも、頭金は重要なのです。

・ゆとり返済やステップローンなどのシステムは駄目

ある年、住んでいるマンションで部屋を手放して引っ越していく家族の数が突然増えたんですヨ。みんなこのマンションがイヤになった?と思ったんですがよくよく話を聞いてみると違いました。みなさん、ゆとり返済などでローンを借りていた人たちだったんです。

ゆとり返済というのは長期にわたるローンのうち最初の5年とか10年程度、金利を低く抑え、その後金利が高くなるというタイプのローン。

日本の多くの会社は今まで年功序列。つまり、若いうちは収入が低くとも、毎年収入が確実にあがっていく。その収入モデルがあったために考えられたシステムなんですねぇ。ところがご存じのようにここしばらくで社会構造がすっかり変化してしまい、もはや年功序列も怪しい時代に。むしろ収入が下がるということも多くなってきました。

そーなると大変!実際、手放された人たちは収入が期待ほど伸びず、ローンを払えなくなってしまったということらしいのです。

それがちょうど5年目であり、当時新築で買ったマンションに入居された皆さんが一斉に苦しくなって売却せざるを得なかったというわけです。その頃、地価は下り坂。せっかく買ったマンションも1/2近くに値段が下がってたので、それを売らざるを得なかった方々の辛さやくやしさは大変なものだったのではないかと想像しますヨ。

今後経済が持ち直したとしても、年功序列が復活するというのは考えにくいです。そうなると、「ゆとり返済」タイプのローンは避けた方がいいと我々は思いますねぇ…。

この項目、長いので次に続きます。