15.タワーマンションの思わぬ落とし穴

誰もが一度は憧れるタワーマンション
ただし、写真のマンションと本文は関係ありません

以前、マンションの買い換えを考え始めた時期に、あるタワーマンションを見に行ったことがあるんですよ。

タワーマンションのメリットはなんといってもその眺めの良さと、戸数が多く、大規模になるが故のスケール・メリット。

豪華な内装、機能をそなえた、広くて利便性の高いマンションでも、その管理費は安価だったりするのが魅力。

ところが、情報収集しているうちに次の問題点が浮かび上がってきたのです。

・風が非常に強く、窓をあけると大変な日がある。
・ほとんど全戸がエレベーターを使うので、その台数が沢山ないと相当な時間待たされる。
・その結果、エントランスからの時間的な距離ができて、出不精になる。
・構造上、材質を軽量にせざるを得ず、コンクリートスラブを使わないケースもあり、その場合、隣接住居の生活音がよく聞こえる。
・高い階数の部屋になればなるほど遠方の音が良く聞こえ、騒音が増える。
・停電や地震の場合、エレベータがストップし、階段で上下せざるを得ず、20階以上も上下するのは困難。
・地震の際、「制震」構造や「免震」構造でない、単なる「耐震」構造の場合、建物そのものは丈夫でも、上層階は室内の家具が飛ぶような大きな揺れになり、被害が大きくなる可能性がある。
・火事の場合の避難や消火が心配。
・雨が降っているかどうか、窓から外を見ても雲に隠れて下が見えず、わからない。(ま、窓をあければいいんだけど)
・補修、メインテナンスが大変そう。つまり、それが管理費に反映されそう。

などの点が浮かび上がってきました。

何よりもそのマンション、タワーなのに、「免震」や「制震」などではなく単なる「耐震」構造だというのが一番のネック。

そうこうしているうちにあきらめたんですが、その後、オガが購入を考えていたそのマンション、偶然仕事上の知り合いが買っちゃいました。

で、上記の件を尋ねてみると「特にいままで暮らしていて問題はないよ」との事だったので、それほど気にしなくてもよかったのかも、とそのときには思いました。一方、「風が強いおかげで、夏は冷房をいれなくても十分涼しいよ」というメリットも。

ところがある日、東京で久々に震度4の地震がありました。翌日彼に尋ねてみると……。

「いやぁ、大変だったよ。エレベーターは動かなくなっちゃったんで、結局二十数階まで2往復したけど、二度と経験したくないヨ」

やっぱりそうだったんですね。

さらに数年後、震度5弱の揺れに見舞われた際には、

「テレビや家具が飛び交って、もう、ぐちゃぐちゃ。壁も損傷。当面、住めなくなっちゃった」とのこと。

メリットも大きいタワーマンションですが、その分、デメリットも大きい…。